そよ風に包まれて。

暇つぶし


私は未だに、クラス表の前でボーっとしていた。

あれから5分は経ったかな?

とっさに笑顔を振る舞われたので時計を見ることも、彼の名前を聞くことも忘れていた。

名前だけでも聞かなかったことを今になって後悔する。

でも、「同じクラスだと良いね」って事は、あの子も2年なのかな?

なぜあの子の正体が全く解からないのかというと、転入生の可能性もあるが、私は1年の時不登校だった。
小学校の時に両親を亡くし、生きる希望を失った。
それからというもの周りから無駄な気をつかわれ、話かけられなくなった。中学生になってもまだ気持ちの整理がつかず、ずっと不登校だったからだ。簡単にいうと相当病んでいた。
でも2年になった今、暗い自分を卒業しようと登校することにした。

だから、私を知っているのはほんのごく数人のはず。

なんであの子は私が2年だって知ってるんだろう。

そう考えてる内に、もうわけがわからなくなった。

なにも知らない。なにも解からない自分にイライラし、大きくため息をついた。


気がつけば8時15分。生徒の登校時間にまで時間が進んでいた。
時間が経つことがこんなにも早かったのかと思わされる。

彼と別れて約20分間。結局なにも解からなかったけど、周りから見れば、ボーっと突っ立ってるだけのように見えたかもしれないけど、

私にとっては良い暇つぶしになったかもしれない。
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