いただきます。


歩に目を向けると、じっと私を見つめていた。

「・・・声のデカいじーさん。」
と呟いた歩。

ということは全部筒抜けか・・・
『私、全然強くないよね。猫の親子の姿を見て体はガクガク震えるし、しかも吐いちゃうし・・・涙だけでも我慢したかったよ。』


じゃなきゃ何も変わらない。


「・・・泣くぐらいいいだろ。何があったとか知んねーけど、震える体で吐きながらも猫を助けた事に意味があんじゃねーの。」

・・・・そうかもしれない。
自惚れかもしれないけど、今までの私ならあそこで気を失っててもおかしくない。


何かが壊れたみたいに涙が流れた。





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