squall
「あったりまえだっつーの」


持つべきものは。
さすが、


「佳世だね~」


親友、ってやつで。


「けど」
「なに?」
「ほんとに佐野サンのこと…」
「しつこい!だって、佐野の兄弟だよ?顔も声も、似てるお兄ちゃん。タイプだったら、私も佐野のこと、好きになってたって」
「え、そんなに似てた?」
「似てたじゃん」


私は佳世の優しさに。
素直に甘えることにした。

「って、それはまぁ、置いといて。いま萌が抱え込んでること。話してもらおうか」
「…はぁい…」


私はどうしても。
佐野を、忘れなきゃいけないから。

< 131 / 309 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop