squall
まだ14になりたての子どもだったし。


【見た目がすべて】


的な恋愛が当たり前だった頃。


「話しかけてみれば?」
「えっ?」
「佐野に」
「はぁ!?佳世、なに言ってんの!?」
「話しかければって」
「や。ムリ。絶対ムリだから」


特別、


―誰もが認めるイケメン 


ってわけではなかったけど。
そこそこ。
モテてはいた佐野…。


「けど。佐野、話さないと顔と名前、覚えないタイプだよ。特に女子は」


そうは言われても。


「そう、なの?」
「1年の時はね。席、隣だったことあったんだけど。そんな感じだった」
「そう、なんだ…」


見た目がすべてとは言え。
とにかく好きだった私は、それを聞いてなにげに落ち込んだりもしていて。


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