squall
帰りの車の中。


――

「お互い…。過去の想いに、しばられてた…ってことだよね…」
「えっ…?」


ほんの数時間前。

佐野と気持ちを伝え合った後。


「“いま”の。気持ちじゃなかった…」


私だけじゃない。
佐野も。
どこかスッキリとした顔をしていて。


「…ん」


静かに微笑んだ。


「正直。わからなかったんだ…。今も何気にドキドキはしてるし。やっぱ、好きなのかな…って。でも。そうなんだと思う。廣橋の言った通り」
「あの頃の、想い?」
「ん…。今ここで、無理やり奪ってやろう、とは思わない」

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