squall
「ちょっと、眠れなくて…」
『眠れない…?』
「ん…。でも、惣一の声きけたから」
『大丈夫?』
「ん…」


これも。


―ウソ…になるんだろうか…


そんなことをぼんやり考えながら。


「じゃあ。おやすみなさい」
『…ん。おやすみ』


でも、ほんとにどこかホッとして。
私はデンワを切った。


ウソには。
必要な時と、そうでない時がある。
これは。


―必要な、ウソ…


昔は。
お互い、何でも話し合えること、が、理想のふたりなんだと思ってた。

でも。

きっと、必ずしもそうではないんだと、惣一と出会ってから、思うようになった。

傷つけられたくない、感じる以上に。
傷つけたくない…って…。


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