squall
「そのルール。婚約した時、やめたんじゃなかった?」
「自信ないとか?」
「そうじゃないけど…。私が気になって、ハズレってほとんどないし」
「だったらいいじゃん」
「うっ…。そう、だけど…」
「どっち?」
「…右…」


私はただ、惣一の優しさに甘えて。
自分の気持ちにも、惣一の気持ちにも。

鈍感になっていたのかもしれない…。


「歩いて行けんの?」
「あ、うん。っていうか、そこ」
「え?あ…あれ?」
「そう」


結婚式に向けて。
準備は少しずつ、着々と進んではいた。


「確かに。いい感じだな」
「でしょ?」


私はそれがふたりの為だと思ってたし。
それがうまくいってるってことだと思ってた。


「よし。入るか。腹減ったし」
「私も~。入ろう入ろう」


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