Cutie Blonde*頬に白ホイップ*
「ひなちゃんが案から作り上げたのは『ホワイトスノー』が初めてなのかな?」

「あ…はい。
倉持さんが考案されたケーキとかのお手伝いはしてますが、自分で案から練ったのは初めてです。」

「そっか…。
でも確かにキューティーブロンドにしては新しい味だよね。」

「え!?あのっ…合ってないですか?キューティーブロンドに合わないですか?」

「ああ、違うよ。全然違う。
もし合ってなかったら、増田さんも倉持さんもOKなんて出さないよ。
キューティーブロンドのメインのパティシエは倉持さんだよね?」

「あ、はい。」

「倉持さんってすごい自信家だろう?
だからね、味にも自信が満ちてる。
もちろんとても美味しいよ。僕がどこのスイーツ店よりもキューティーブロンドを好む理由は倉持さんの味っていうのも一つの理由としてはあるかな。
だけど、この『ホワイトスノー』だけは…倉持さんの味じゃない。…とても、違う。」

「え…。」


そうきっぱりと言われると不安になる。
…私の腕前がまだまだなことも分かってる。
―――だからこそ、私の味をお店に置いてしまって大丈夫なのか。いつも不安…。


「とっても優しくて繊細な味。
…こんなこと言ったら倉持さん、怒っちゃうかな。」


いたずらっぽく微笑んで、朝比奈さんがそう言った。
その表情に胸がきゅっと締めつけられたように痛む。
…これ、な…なに…?


「ひなちゃんの味は優しくて、温かい。
こう…なんて言うのかな、心がほっこりするんだ。」


そう言いながら優しい微笑みが返ってくる。


「だから、ちょっとお願いしようかな。」

「え…お願い…ですか?」

「うん。クリスマスの依頼。」

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