Cutie Blonde*頬に白ホイップ*
「なんだか久しぶりだね。」


下から朝比奈さんの優しい声が響いてきた。


「あ…えと…はい…お久しぶりです。」

「手…もう大丈夫?」

「え?あ…は…はい。」


私は咄嗟に両手を後ろに隠した。
…見せたく、ない。


今は火傷するような仕事さえほとんど出来ていない。
ホワイトスノーは辛うじて焼いているけれど、いつもみたいに倉持さんのケーキの手伝いなんかは全然、出来ない。させてもらえない。
水仕事ばかりで手はさらに荒れている。


ふと朝比奈さんを見やると、ひどく切なげな表情を浮かべて私を見つめていた。


「…そっか。でも、調子は良くないみたいだね。」

「え…?」


朝比奈さんの言葉にドキっとする。
調子が良くないのは、本当だから。


「その姿ってことは、今日は勤務なんだよね?」

「はい…。」

「ホワイトスノーはもちろん、ひなちゃんが焼いてるんだよね?」

「…はい。」


そう答えると、朝比奈さんの表情が一層苦しそうな、悲しそうなものに変わった。

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