砂場のロケット 〜キミと見る群青〜



勢いよく、突く音がして
次にはガコンと入った音


「 ああああっ!! 終わった!! 」


頭を抱える真木

落ちたのは"9"




俺達が会話している間に
ハルトは着々と球を落としていて ――


真木はブツブツいいながら
またトライアングルの中にボールを戻し
数字を上にし並べている




「 ―― クウヤはね
もちろん最初は、大反対したんだよ


優しいから ―――

…でも、強くても優しくても
一番大切なものを守れなかったら
何の意味も無い


――― だから俺は、青山がキライだ 」


「 ハルト!もう一回やんぞ!!って…

―――… だからよー
あれは青山だけのせいじゃねえって
こないだ詳しい事情話したろうが!! 」




ハルトはフイと顔を横に向けて
俺にキューを渡した


不機嫌そうに
部屋の隅にある椅子に腰掛ける




「 … 真木、詳しい事情って? 」


「 岡田、相手しろ
やった事あるか? ビリヤード 」


「 …何回か
でもどっちかっていうと、
ダーツばっかりやってたな… 」



真木が、サークルを外した



< 108 / 569 >

この作品をシェア

pagetop