砂場のロケット 〜キミと見る群青〜
そんな事を、延々思い出しながら
ひとり、青い歩道橋を昇り
気がつけば、いつの間にか駅前
"原宿"と看板のある
黒と白の三角屋根と
その周囲を埋める木々
その向こうに
細い塔みたいな黒いシルエットが見えて
そちらが西なのか
空の下の方が、まだ赤い
右にある道路沿いには延々と、
中規模ビルが続いてる
突如歓声や、笑い声が起きる
賑やかな歩道橋を降りると
売店の光
雨よけ屋根の下の混雑
デカいビニール袋があたって
"すみません!"と謝られた
バタバタと改札に向かって走って行く
仲良し三人組ぽい女の子達は
遠距離から来た風なファッションだ
これから
自分の家に帰るんだよな 皆
―――… でもアズはきっと
名義上の自分の家には
戻ってないな
そんな気がするだけで
… 住所も知らないけど
つか、よく考えたらさ
… 完全な、痴話ゲンカだろこれ