砂場のロケット 〜キミと見る群青〜




マンハッタンでは
いくらでも聞く機会はあったけど
青山からも、聞いて来なかった




… 当たり前だな
いくら大人対応に長けた奴と言えど
俺はムカつく邪魔者だろう


それに、状況が状況だったから
一致協力、総力あげてのダンジョン捜索


アズを挟んでどうのみたいな
そんな余裕なんかなかったし




…… 第一 俺もいっぱいいっぱいだった




アズが
" 自分が関わらなければ "みたいな事
切々と語ってたけど


今はあの気持ち、俺にも判る




…… 関わらない方がいいのかもしれない




だいぶ感情
抑えられる様にはなって来たんだ


ただただ
"好き"をぶつけまくっていた
あの頃より




――― 新宿や

ロケ先の車の中で
お前の歌が聞こえる度に


" 頑張ってるな "って


" 俺も頑張ってるよ "って


込み上げて来る気持ちを
その日の励みに、変える位には ―――




横からいきなり、男の怒声



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