砂場のロケット 〜キミと見る群青〜




胸の中心から腕にかけて
アズと会った時にしか起こらない
甘い、痛み




駆け出して
捕まえたい衝動に駆られたけど


そんな事したら、瞬発的に
アズが走って逃げそうで ――――




ポケットからタバコを出し
ジッポのフリントホイールを擦った


風には強いはずなのに
なかなか火がつかなくて


… とにかく、
何でもない風を装い
手摺りに寄り掛かりながら、
そっちを向かずに、携帯を耳にあてた




「 … 何してんのよ 」



< 157 / 569 >

この作品をシェア

pagetop