砂場のロケット 〜キミと見る群青〜
胸の中心から腕にかけて
アズと会った時にしか起こらない
甘い、痛み
駆け出して
捕まえたい衝動に駆られたけど
そんな事したら、瞬発的に
アズが走って逃げそうで ――――
ポケットからタバコを出し
ジッポのフリントホイールを擦った
風には強いはずなのに
なかなか火がつかなくて
… とにかく、
何でもない風を装い
手摺りに寄り掛かりながら、
そっちを向かずに、携帯を耳にあてた
「 … 何してんのよ 」