砂場のロケット 〜キミと見る群青〜



『 ボウズ 』
『 アズル 』
『 バカ 』


大体この三つが
真木からの、アズに対する称号




――― ルウって呼ぶのはハルトだ




ああ… そうか


真木はハルトと一緒に
アズに会ったんだよなと
ビリヤードしながらの会話を思い出した




「 …うん 」


アズが、真木を見上げながら返事


真木は片足を砂地に着き
両手を開き、手摺りは握ったまま
碧い瞳を見つめながら言った




「  船、作ったぞ

さっき、出港準備の許可が出た 」


「 船…? 旅行、どこ行くの? 」


「 さあ ――
どこ行くのかは、わかんねえな

何しろ小せえし
でも、皆乗れるぞ 」




「 …… 皆? 」


「 おう
船長は、いろんな港に顔が利く松田さん
そっちの操縦に関して、俺は畑違いだし
あまりでしゃばらない事にした


それに俺は

―――― ギター 弾かないとだしな 」




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