砂場のロケット 〜キミと見る群青〜




アドリアナを見て 軽く手を振る



「 ――― 俺、行くわ  んじゃね 」


「 … なんでよ!!!!! 」




…… アドリアナに
伝えたいと思っていた気持ちは
全部心の中で、独白してしまっていて


どこから
何をどうやってまとめていいか
すごく、困った




そして、結局出た言葉は ――――


「 仕事だよ 」




「 …… 一日くらい、いいでしょう…?!
その分位なら
私が出してあげるわよ!!! 」



息を吐く ――――


「 ―… 金だけじゃないんだ
俺が仕事場から、貰ってるものは 」


「 …………… 」




「 ――… 騒ぎは起こさないと
私と約束したね アドリアナ 」

俺の後ろから
突然降って来たその声に

高慢で憮然とした表情が
体中を震わせ、一気に素に戻る



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