砂場のロケット 〜キミと見る群青〜
「 うん
アドリアナもやったか?
お寺で頭にケムリかける奴 」
「 一応やったわ
そうね、あれ "お香"?
アロマテラピーよね
町中、そんな香りがしてた 」
「 じゃあ、この町は? 」
「 ―― え… 」
しばらくアドリアナは
鼻をスンスンさせていたけど
特に何かあるわけでも無い顔で
首を傾げた
「 …別に
あそこにあるハンバーガーショップから
美味しそうなミートの匂いがする位ね 」
「 ボスから言わせるとさ
浅草は、お爺さんとお婆さんの匂い
―― 原宿は、赤ちゃんがいる家みたいな
"コドモの匂い"がするんだってさ 」
「 ええっ?!
… あ、アサクサのそれは判るけど
ここのは、全然わかんないわ?!
なんなのそれって… 」
「 俺も最初は
ケムリの匂いじゃないのかって
やっぱりそう思ったし
ここは、"オンナくさいな"位で…
そしたらさ
" それはまだ自分が、
子供だからわかんねえんだ"って
"俺は中間点の年齢だから
それがわかるんだ"ってさ 」
「 ――… 私もわかんないわ… 」
「 アドリアナは幾つ… 何歳よ 」
「 もうすぐ Nineteen.
September 九月になったら、19よ 」
「 ―― 何だ、結構オバ… 」