光を背負う、僕ら。―第2楽章―

秘密の放課後




先生に頼み込んだ次の日。



あたしと鈴木先生は放課後に、人気が少ない校舎の一角に来ていた。



その校舎には美術室や理科室といった、特別な授業で使う部屋が多くある。



教室がある校舎からは離れていることもあって、放課後になると美術部などの部活で部屋を使う人以外は滅多に立ち寄らない。



だから今は、あたし達の足音と微かな人の話し声しか聞こえないぐらい静まり返っていた。



先生に案内されるままに歩いていたあたしは、冷たいコンクリートの壁が作り出すひんやりとした空気に身震いをする。



だけど先生が校舎の3階の突き当たりにある部屋の前で足を止めたことで、あたしは別の意味で体が震えたような気がした。



「ここよ、佐奈ちゃん」


「…あっ、はい」



先生はポケットから長い鍵を取り出して部屋を開けると、滑りにくい引き戸を勢いよく引いた。



何かが擦れる嫌な音に、耳を塞ぎそうになる。



あたしは先生の後について、遠慮がちに部屋へ入った。



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