光を背負う、僕ら。―第2楽章―

雪解けに願う




――元旦。



新しい年を迎えた町には、うっすらと雪が降り積もっていた。



大晦日が終わる直前に降り始めた雪は朝方まで降っていたのだと、朝見た天気予報が言っていた。



だけどどうやら日の出はめでたく姿を現してくれたらしく、お昼前の空には太陽が昇っている。



頬に触れる空気は冷たいけれど日差しはポカポカと温かいから、きっと雪解けはすぐだろう。




「佐奈ー!あけおめー!」




歩道の隅っこで土が混じった雪が溶け始めているのを見つめていると、新年にふさわしい明るい声が聞こえた。



顔を上げて捕らえたのは二人の姿。


明日美と流歌が手を降りながら笑顔で駆け寄ってくる。




「二人とも、明けましておめでとう!何だか久しぶりだねー」




駆け寄りながら出した声は、久しぶりの再会に喜んで弾んでいた。



冬休みに入ってからはお互い受験勉強に向けて塾や練習で忙しかったから、こうやって顔を合わせるのは本当に久しぶりだ。



それはクリスマスも冬休みも返上してみんなが頑張っている証拠だけど、やっぱりこうやって顔を合わせるのが一番楽しい。



メールで送り合う励ましや応援の言葉よりも、ずっとが効果覿面(てきめん)みたいだ。




三人でお互いの近況報告をしながら、近くの神社に向かう。



元旦には三人で初詣でに行こうと計画していたんだ。


受験の合格祈願もしたいし、あとたまには休憩も大事だから。



最後に頑張るのは自分だけれど、やっぱり神頼みはしておきたい気持ちは三人一緒だった。



< 397 / 485 >

この作品をシェア

pagetop