かふぇもか
「ハイ、白い鯛焼き」


太一がわたしの手のひらに真っ白い鯛焼きを差し出す。


「わぁ~、ありがとう太ちゃん」


わたし達はスーパーの中にあるベンチに腰掛けた。


白い鯛焼きはスーパーの外の屋台で売っていて、二人でずっと食べたいねと言っていたものだ。


太一は北海道のつぶあん、わたしは大好きなクリームを選んだ。


「皮がモチモチして美味しい」


「それは良かった」


太一が懐かしい優しい笑顔で微笑んだ。


わたしは少しドキッとした。


「紗美、痩せた?」


「うん。わたし9ヶ月ここを離れてたんだ。その間にヨガやってたから。引き締まったんじゃないかな」


わたしはウエストのくびれを強調した。
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