青空メモリー
「十夜ほんと意味分かんないっ!」
俺からみたらお前の方が意味分かんねえよ。
「なんでこの先が長い方なの?!」
ソファに立ち、怒る奏汰。
そんな小さいこと怒んなよ。
「そんなんどうだっていいだろ。俺もう半分食ったし」
俺の手には半分しか残っていない、先の方が短いチューペット。
奏汰のは先が長い方。
別に長いのでも短いのでもどっちでもいい。
味が変わるわけでもないのに。
「で、何しにきたの?」
いつも通り用はないんだろうけど聞いてみる。
返事がない。
ただの屍の…じゃなくて。
奏汰が来るまでに飲んでいた麦茶のコップをキッチンに置いて、リビングに行く。
「おい奏汰…」
奏汰は急に立ち上がった。
「え…」
「もういい帰る!」
そして怒って出て行った。
ちゃっかり文句ばっか言ったチューペットを完食して。