囚われジョーカー【完】




そんな顔されたら、一番辛いと言うのに。

いつ別れが来るかと怯えて涙を流す私を、貴方は知らないから。だからそんな顔が出来るのか。


……いや、訂正。




そもそも。三浦さんはきっと、その事実を知った時点で何の感慨も浮かばないだろう。


寧ろそれが、ジ・エンドの合図かもしれない。




「……三浦さん。」

「なに。」

「…好きな人、いますか?」










「…………いるよ。」




自分でも、馬鹿な質問をしたと思う。


被害妄想ばかり繰り返しダメージを受けている脳に、さらなるダメージを与えまくる私を誰か罵ってくれ。



ただ単に、これから私が少しでも希望を持てるかと思ったのだ。

逃がさないと言った三浦さんの言葉に、期待してもいいのかと聞きたかったのだ。





そして、勇気を出して聞いた質問の答えがコレか。





< 100 / 393 >

この作品をシェア

pagetop