囚われジョーカー【完】




首を傾げた私を三浦さんは「はっ!」と鼻で笑ってきた。うっわー、今まで生きてきた中で番人を殴りたいと思った。


今すぐ殴りかかりそうな高揚感を必死に抑え拳を強く握りしめて我慢。


私だってもう22歳だし、こんな安い挑発に何度も乗るほど子供じゃない。第一相手にした時点で三浦さんの優位は変わらないだろう。



そう思って、無視を決め込んでいる私の空気を読めてるくせにこんなことしてくる三浦さんは相当底意地が悪いと見える。




「菫ー、ちょっと。」


私の名を呼びハンドルに腕を片腕を乗せ頭を預けていた三浦さんは、手招きをしている。





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