囚われジョーカー【完】



そのカラフルな三角形の物や四角い紙を見つめていれば、隣から麻乃さんの高揚した声が弾んで飛んできた。



「よし、後1時間で準備しよう!」

「出来ますかね?」

「出来る!…と思う。」


あはは、と困ったように笑った麻乃さんに私も緩く笑みを返して。

その色とりどりの紙に手を伸ばした。



ハサミを受け取り、それを2センチ間隔ほどに切っていく。


「じゃあ、菫ちゃんは輪っか作って繋げて。私は料理の仕上げするから。」

「はい。お願いします。」



キッチンへと足早に向かった麻乃さんの後ろ姿を見送りながら、私も黙々と同じ作業を繰り返す。


色とりどりの四角い紙―――そう、折り紙を切っては輪っかを作りのりでくっつける。



暫くして、麻乃さんに声をかけられた時にはもう大分長い輪の繋がりが出来ていた。


「じゃあ、それどこに付けよっか?」

「あそこの壁でいいんじゃないですか?」

「結構長いし、いけるね。」




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