。*雨色恋愛【短編集】*。(完)

-彼との接点-

「奏歌、今日当番じゃないの?」

「あっ、忘れてたっ。梨那、一緒に日誌取り

に行ってもらってもいい?」

「いいよ!!」

今日は、あたしが当番みたい。

誰とやるんだろ~。

聞いた気がするけど、わかんないな~。

忘れちゃった。

名字、同じだったしな~。

秋山さん、多いしな~。

番号で呼ばれるだけだし。

あたしは、出席番号3番。

4番の人とやるんだ~。

「あたし、今日日誌書いちゃえばいいよね。

明日、書いてもらえばいいし」

「そうだね~」

クラスに戻って、日誌を書く。

秋山、秋山…っと。

下の名前…覚えてないし、いいよね。

今日の時間割り書いて…

あぁ、めんどくさい。

あたし、今日部活だし、しかも、男バスと練

習試合だし…

放課後、時間かけたくないし。

…書きたくない。

とにかく、早くしなきゃ。

ちょっとずつ書いて、放課後楽なように…

「奏歌、偉いね~。てか、奏歌が真剣に机に

向かってるなんて~」

あははははと笑った。

あぁ…あたしだって、部活のために机に向か

ってるだけなんだから。

部活命のタイプ。

てか、がんばることが部活しかないだけなん

だけど。

「奏歌ちゃ~ん」

「はぁい」

誰だっけ…

「今日の3限、移動教室?当番の子、休みみ

たいなんだけどさ、知ってる?」

「う~ん、先生に聞いてくるね」

…聞いてこいって言ったよね、今。

「ありがとう」

にこっと笑う、誰か。

「……はぁ」

廊下に出て、ため息をつく。

あぁ、当番ってたるいなぁ。

「誰だっけ…」

えっと~…

高木≪たかぎ≫さんだ…

「高木さん、3限ね、移動しなくて大丈夫だ

って」

「ほんと?ありがとう」

はぁ…

朝練、できなかったなぁ。






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