。*雨色恋愛【短編集】*。(完)

信頼なる君へ

「拓也…」

「おっ、儚」

あの日、俺を叱ってくれた日から、拓也は、

俺に遠慮してるのか、俺と目を合わせようと

しない。

で、俺から声をかけると、空元気で話し出す



もう、お前は俺のことが嫌いか?

俺は、拓也のことを信頼してるよ。

…親友だって、思ってる。

拓也だって、そう思ってるだろ?

約束していた、同じ高校に受験してくれたん

だから。

「話…あるんだ。大事な話」

「おっ…おぅ。わかった」

拓也には、全て知ってほしい。

「最近死んだ…あの四人」

俺らの学校で有名だった。

一年に、こんなに多くの人が謎の自殺をする

から。

「…あぁ」

「あいつらのこと…あと、去年の担任の岡本

のことなんだけど」

「あぁ」

真剣に聞いてくれた。

俺があの四人をどう殺してきたか。

殺人とも言えない、殺人の話。

きっと、残酷過ぎて、目をそらしたくなる話



それでも、信頼なる君は、俺の目を、まっす

ぐ見て聞いてくれた。

「お前、そんなこと考えてたのか…それ、思

い付いたのって、漆星≪ななほし≫が死んだ

日?」

漆星…かぁ。

前は、俺も結愛のことをそう呼んでたな。

「そう。俺は山梨に真実を聞いた時、結愛は

悔いが残ってるんじゃないかって思った」

「そっか…」

「あとな…」

岡本の話。

あいつを誘惑して、金を出させたこと。

いや…おどしたのか。

「その20万円、どうすんだよ」

「それは…」

これからのこと。

未来について。




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