シンデレラルーム 702号室


「もう一度言うわ」



あたしが一度来たことがあるラブホの一室。

入り口で立ち止まっている彼をキッと見上げ、迷わずに言う。



「あたしとセックスして」



彼はその一言に特に表情を変えず、冷めた目であたしを見ている。


それは今だけじゃなく、普段から誰に対しても同じ目で見るんだけど。



今はその視線がとっても痛い……


でも負けないわよ!


あたしはこの最終手段を使ってでも彼が欲しいの。



「……あのさ」



ため息交じりに彼が口を開いた。



「そんな恐いカオで言われたら勃つものも勃たなくなるよ?」


「〜〜〜っ!!!」


こ、このオトコ……!!




< 55 / 192 >

この作品をシェア

pagetop