あやとり

視線を落とすと、視界の隅に一台の車が入る。

そういえば、さっきこの道を歩いていたときも、あの場所に車が停まっていた。

気にも留めていなかったが、ずっと運転席に人が乗ったままだった。

横目で見ながら行き過ぎ、その車から十メートルくらい離れたところで、車のドアが開く音がした。
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