あやとり

優ちゃんはいつも〈お断りの手紙〉を書いていたみたいだ。

何度か、書きかけの〈お断りの手紙〉を盗み読んだことがあった。

ほとんど、どの手紙も丁寧に書かれていて、理由は『年上の人にしかときめかない』というニュアンスでやんわりと書かれていた。

私にとって優ちゃんの手紙の内容が、大人の恋愛事情に触れる特別なものとなっていったと思う。

読めない漢字を前後の流れで、適当に解釈しながら目で追っていく毎に、自分が大人になっていくようで、いつも胸を高鳴らせていた。


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