ボディガードの彼

4.反逆分子“ゲイル”

カチャリと一つの扉が開く。

「おはようございます。本田さん」

「ああ、おはよう。ロイ。これを見てくれ」


翌朝のことだった。
首相官邸のSP会議室では、壁いっぱいのスクリーンに、一人の白人系の女の顔が映し出されていた。


「この女は」

「昨日、きみが撃った反逆分子のボスだよ」

「なんですって?」

「反逆分子ゲリラの中でも、特に最近、活動を活発化させている“ゲイル”のリーダーだ。今朝になって、お嬢さまの誘拐をほのめかす声明を、発信してきた」

「なるほど。やり返しというわけですね…」

「お嬢さまには学校で過ごしたり、外で遊ぶ時間帯があるからな。首相より狙いやすいというわけだ」

「それでは、今後は、この女を重点的にマークですね」

「そこで、ロイ。きみの仕事だ」
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