魔性の女? 受付嬢・小出めぐみの秘密
 夕刻、街を望むデパートのスカイサロンでくつろいでいた時だった。

「か・ず・や…」

 え?

 今の言葉…

「何か言った?」

「かずや」

「今、俺の名前を?」

「藤瀬さんの下の名前でしょう? これからは和也って呼ぶね」

 ニコニコ顔の小出さん。

 俺は苦笑いするだけど、年下の女性から名前を呼び捨てにされて何だか変な感じだ。

 ちょっと不愉快な気分だろうか?

「どうしたの?」

「私たちは恋人同士でしょう? 藤瀬先輩って呼ぶなんて、何だか寂しいしぃ。もっと親しみを込めて…」

 ストーップ!

 俺は小出さんの言葉を遮った。

「恋人同士って何?」

「お互い、愛し合っているって言う深い仲」

「まーだ、俺たちはそこまでは行ってないだろう?」

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