フルーツ ドロップス
「…じゃ、失礼しました。」
 「あ、ま、待て!!唐沢!!」
背を向けて歩き始めたその瞬間に引き止められた。
…。
 「…まだアルコール脱脂綿、浸すんですか。」
さすがに手がアルコール臭くなるから勘弁して欲しい。
 「だ、誰もそうとは言ってない!!…やる。受け取れ。」
渡されたものは、りんごあめだった。
可愛らしく封されていて、『大吉!!』と
りんごが喋っていると言うハイカラな絵が描かれている。
 「お駄賃というとお子ちゃまみたいだか、まぁ、いいだろう。
大吉だぞ、いい事あるといいな。」
 「……ありがとう、御座います。」
 「あ、レモンもあるぞ!ぶどうとか、ももとか、いちごとか、あと~
…あと、みかんとか!!」
 「そんなにいりません。」
そう言って出て行こうとすると、無理やり手に
レモンやらみかんやらイチゴやらの飴を握らされた。
 「弟達にも分けてやれ。‘優しい佐倉先生からのプレゼント‘って言うのを
忘れずにな。」
 「…失礼しました。」

佐倉先生の飴を持って、
校門へと向かった。
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