フルーツ ドロップス

柔軟体操が終わり、陸上に入った。
体育の授業は、2-Aと2-Bは合同でやる。
千弘と理は2-Bだから一緒。
陸上はパートナーとやる決まりがある。
去年は理と同じクラスだったからいいけど、
2-Aは俺だけだ。同じクラス同士で組まなきゃならないから、
またややこしい。

めんどくさくて、立っていたら、
 「唐沢!さっさとパートナーを作らないか!!」
熱血系体育教師に怒られた。
パートナーが居ないから立ってるのに。
変なトコで先生って馬鹿だな。
ため息をつきながら立っていたら、
また先生が怒鳴る声がした。
 「森川!!お前も早く作らないか!!」 
 「っせえ。いいだろ別に。」
……森川 双樹(もりかわ そうじゅ)。
学校でも有名なヤンキー。というか不良。
金髪で、耳にはピアス。
赤のカラコンをした男だ。
同じクラスだったんだな。…知らなかった。
俺は彼を横目に地面に座った。
陸上なんか、パートナー作らなくても出来るし。
そう思って、空を見上げたそのときだった。
 「おい、お前が、唐沢か?」

< 13 / 24 >

この作品をシェア

pagetop