大江戸妖怪物語


しかしその後も、夢へ落ちれば目を覚ませられた。不眠だ。


(誰だ寝かせない奴は!?公共の福祉に反しねぇのか!?罰則だ罰則!)







?「起きて・・・」






僕の耳に、またその言葉が聞こえた。僕の蟀谷の血管がプツリプツリと湧き上がる。





神門「うるさいばばあああ!」





悪者の捨て台詞か何かを僕は吐いた。(寝ながら)


?「誰がババァだとぉ!?」


と、咄嗟に胸ぐらをつかまれる。さらに上下左右に脳みそごと揺らされるという特典付きで。

?「親に向かって何言ってるんだい、アンタって子は!」

神門「痛ぇ!母さん、ヤベェ!起きた後すぐの脳揺らしはハンパないんだよ!僕が悪かった!ソーリーソーリー!」

これを周りから見たら“起き抜けに脳を揺らされてる西洋かぶれ”なのか・・・?

神門「ゲホッ・・・てか、母さん、何回僕の名前呼んだ?」

母「一回だけだよ。その一回目でババァ発言をされた。名誉棄損だ」

神門「そんな理由で息子を訴えないでくれ!寝ぼけてたんだよ!」

江戸の体罰はとんでもないからな。慌てて飛び起きて枕やら布団やらを適当に退ける。

母「ちゃんと押し入れにしまえや!片づけできないのは泥棒の始まりだよ!」

神門「それをいうなら嘘つきだ!」

僕は布団をパパッとキチンと整頓する。その時間、0,7秒。


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