目一杯の愛で‥


二年前



ミンミン、と鳴り

ジリジリ、と暑いこの頃




あたし、は恋をした。




最後の中学生活の中


大きな廊下に
大勢の女の子が囲んで立っていた。




囲まれている男の子

流星は‥
早く、つづきに会いたいと願う




そんなとき



『おい、流星。』


と、低い声が聞こえた





「あ~、絢兎かぁ!」



絢兎、と呼ばれた少年は


背が180センチ前後と大きく

目つきが悪すぎる、怖い男の子がいた。





「「あ、ぅっ流星くんまたね!」」



数十人の女の子たちは

絢兎を見て

逃げるように走っていった





絢兎はさほど気にしてないみたいで


『お前の女、泣いてた』


焦る様子もなく、淡々と言い放った。




「え、まじかよ! またな、絢兎」



慌てて、走る流星を見送り

一人、屋上へ迎う。





屋上のドアのまえには



[立入禁止]

とかかれていた。




絢兎は慣れた手つきで


サビ過ぎている、ドアを開けた




中には相変わらず、一人もいなかった


絢兎はどことなく、嬉しそうだった。

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