君との時間は・・・

合格・入学




中学校生活も終わり、今日はいよいよ高校入学式。ピカピカの制服。


ピシッとキメたんやけど・・・。


「・・・ダッサ。」


ダサい。ダサすぎや。あかん。こんなん、俺ちゃう!・・・着崩したいねんけど・・・


入学式初日からはさすがにあかんかな・・・。


制服を着るだけに15分もかかってもぉた。今までやったら5分もかからんかった。


あかんな、新しい環境にのまれすぎや。ふと、時計を見ると


「は!?ヤバいやん!」


時刻は8時をまわってて・・・。今日からは一人で登下校・・・になるかもしれへんな。


友達ができたらえぇねんけど、家が同じ方角っていう条件も欲しいな。


ってそんなん考えてる場合とちゃう!急がな、初日から遅刻は嫌や!!


「恵、ご飯は?」


「食ぅてる暇ない!行ってきます!」


「あ!恵!」


「姉貴、急いでんのに止めんなや!」


「ちょっと、待ちぃや。」


そっと、姉貴の手が伸びてきて、その先にあった俺の制服の襟に触れる。


「ちょ、なんしてん!?」


「これぐらい着崩して行くんは、常識やで?」
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