ロストゲーム
Game:2 -罠-

 放課後、俺と由美はファーストフード店で向かい合わせにコーヒーを飲んでいた。
 
 いや、正確に言えば、由美が飲んでいるのは野菜ジュースだけどね。
 
「で、秘密の関係ってどんなの?」
 
 由美が、ストローから口を離してゆっくりと言葉を紡ぐ。
 
眼鏡の奥で蠱惑的に輝く瞳は、正直ゾクッとするほど綺麗に見えた。
 
「そうだな……」
 
 予想外な由美の魅力に、俺は言葉を詰まらせてしまう。
 
 ただのゲームのつもりだったのに、よもすれば本気になっちまいそうだ。
 
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