桜花~君が為に~

第二十七話

桜の花びらが
風に乗って散ってゆく

きっと
どんな花よりも
潔く儚く そして綺麗に散る花

だからこそ
桜は愛される

「しれば迷い しらねば迷う 恋の道」

桜吹雪の中
沖田は呟くようにして言葉を紡いだ

「確かにそうですね。
豊玉さん」

散りゆく花と同じように
儚い笑みを見せた

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