桜花~君が為に~
震える悠輝の身体を強く抱きしめる。

ときどき、悠輝は夢を見ていた。
父が死んだ時の夢を
血に染まった視界
ただの肉片となった人

「…おとうさ…おとう、さんっ!!!」

呟きは、やがて叫び声へと変わる

「落ち着け!!!!」

土方がそう怒鳴ると
びくっと、悠輝の肩が一度跳ねた
土方の胸元に縋って涙を流す。
なんどもなんども、悠輝を落ち着かせるために背中を撫でた。

「大丈夫だ。お前は死なねぇ、死なせねぇ
俺達が、護ってやる」

力強い言葉

彼女がこうなる原因を
彼女の知らない彼女のことを
土方は知っていた。


あの日の真実を

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