桜花~君が為に~
しばらくして沖田さんの部屋の前まできた。
気配を消してそっとふすまを開け中に入り込む。

案の定沖田さんは静かに寝息を立てて寝ていた。
傍まで近づき、そっと小太刀に手を掛け、抜刀する。

「父さんの仇っ」

抜いた刀をおもいっきり振った。

「何、してんの?」

振った刀は空を斬った。
すぐ後ろから聞こえた声。

「へ?―――なっ」

刀を叩き落とされ
そのまま床に押さえるように叩きつけられる。

見えた茶色の瞳。

「離せっ!!!」
「僕は、何をしてるのか聞いてるんだけど?」
「決まってるだろう!!お前を殺すためだ!!!
この人殺し!!!!」

何とかして逃れようとするものの
彼の力は強く、逃れることは出来なかった。

「あぁ、やっぱり君
あの時の子だったんだ」
「え?」

彼の言葉に驚き、動きを止める。

あの時の・・・・って

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