君に恋する本の虫
聞きたい事や話したい事はたくさんある。
しかし質問は頭の中をループするだけで口から外には出ていかない。
それになんだか、今の彼の姿を私の退屈な声なんかで崩したくない・・・。
私はとりあえず彼が一段落するまで待つ事にした。
1時間くらいして、やっと彼の手元の書物が閉じる音がした。
私が恐る恐る視線をあげると、バッチリ彼と目があった。
それから永遠にも感じる気まずい30秒の沈黙の後、それを破ったのは彼。