君に恋する本の虫
息荒く教室に飛び込んできた彼は長袖のサッカーウェアに、短パン。
肩にはスパイクシューズの入ったショルダーをかけている。
彼の目線の先は私。
「まだ冬休みだぞ。」
なんて言いながら笑う彼は私の幼なじみ。幼稚園から一緒で、家も近い。
「センセーに呼ばれたんだよー。じゃなきゃ、あたしだってこんな寒い中来ない。」
べーっと舌を出して顔をしかめてみせる。
「ハハッ!だな!」なんて笑う彼の事が、私は《好き》。