君に恋する本の虫
「その髪ゴム・・」
「え?あっこれ、ごめんなさい。借りてます。」
「ダメ・・・ダメ!!返して!!!」
私が勢いよく彼女に近づく。
そして彼女の髪ゴムに手を伸ばしかけた時、
パンッ!!!
真人に素早く、強く手を弾かれた。
「お前なぁー。ちょっとくらい貸しとけよ。」
私はすごい形相で真人を睨む。
挟まれた彼女はおろおろと2人の顔を交互に見ているがそんな事はどうでもいい。
「うるさい!!だいたい勝手に人の物を出して貸すんじゃねぇーよ!!!」
そして彼女に向き直り
「返して!!あんたなんかに使われたくない!!大切な物なんだから!」
パシンッッ!!!
私は外に飛び出した。
凍えるような寒さの中。
叩かれた頬が・・
すごく、熱い。