空耳此方-ソラミミコナタ-
入ると中も豪華で綺麗な作りだった。

入った正面に宿泊の部屋に繋がるのか、緩やかな螺旋階段が伸びている。

右手側にチェックをするテーブルがある。
逆の左側には通路が繋がっている。



「綺麗だなぁ…」

恵は興味深げに笑顔で辺りを見回す。
言乃も感心して同様にしている。

羽田はテーブルから鍵を2つ持って来た。


「一応女の子が相部屋、君が隣で一人ね」

「アザっす」

「もしかして、彼は上の階のがよかった?」


羽田がこっそり女子二人に話しかけると、炯斗は耳まで真っ赤になった。


「そんなに盛ってねぇッスよ!!」


羽田は楽しそうに笑うと、炯斗は引ったくるように鍵を奪いとり、一人先に階段を登って行った。


残された三人は顔を見合わせてクスリと笑った。

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