空耳此方-ソラミミコナタ-

頑張って文字を解読しながら読み進むと、地図の中に2ヶ所、


「危険」の二文字。

赤く囲まれ、ひどく目立つように自らを主張する文字が三人の目に止まった。


【これは―?】


動きが止まった三人に気付いた羽田が声をかけた。

「海岸線にあるのが岩場さ。小さな洞窟が散在していて、大体が満潮時に水没しちまう。

もう一つ、島の中腹にあるのが、最近断層で出来た谷だ。
そこには近付かない方がいい。小さいが随分広い地割れだからね。落ちたらまず出られない」


「そんなに…」


三人が若干青ざめたのをみて、羽田はカラカラと笑って言った。

< 109 / 374 >

この作品をシェア

pagetop