空耳此方-ソラミミコナタ-

だが甘党男は素っ気なく炯斗から視線を離して立ち上がった。

もう全部食べ、飲み終わっている。
もちろん炯斗の抹茶クッキーも。

「そうか。だったら今のうちに遊んでおけよ」

「言われなくても!大学生活バンザイ!なーんて。
って、あっ!せめてつっこんで!」

そのまま立ち去りそうな甘党男に炯斗はすがるように叫んだ。

男は振り返り、冷めた目で炯斗を見る。

「…1つ忠告をしておく。お前今のままだと今後絶対に事件に巻き込まれるぞ」

炯斗は眉を吊り上げた。

「はい?何ソレ。心当たりないんですけども」

だが甘党男は無視したか聞こえないのかトレーを片付ける。

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