空耳此方-ソラミミコナタ-
舘見 透
鹿沢 克己
瀬 玲子(らい れいこ)
そして今この場にはいないキミを加えた四人は、家が近所でよく遊ぶ仲だった。
このとき透と玲子が18歳、キミは14歳、克己が12歳。
克己にとって、三人はいい兄弟だった。
しかし透も高校を卒業したら働きに出る。
会えたとして遊ぶ機会はなくなってしまうので、その最後の思い出作りにこの島へ来たのだ。
残念なことに、前日になってキミは風邪をひいてしまって来れなくなってしまったが。
「ねぇ透くん」
「ん?」
「海はもうちょっと後に来ようよ」
「えー」
「私も賛成。ちょっと暑過ぎるわ」
遮るように玲子が同意すると、透はしぶしぶ頷いた。
透くん、体のどっかおかしいんじゃないの?
克己は大股で砂浜をあるく透を疑いの目で見る。
この暑さで熱しきった砂浜の上で熱さに跳ねるどころか楽しんで跳ねているのだ。