空耳此方-ソラミミコナタ-

「―で、乱闘に発展して野次馬に止められた訳?」

「はい」

「間違いありません」

しゅんと頭を垂れる大学生二人。
事情聴取する刑事は長い髪をかき上げ一言。

「バッカじゃないの?」

二人は言葉もなく項垂れた。

私が来たのは事故の為なのに…と刑事は口を尖らせる。

ストレートロングの色素の薄い茶髪
スーツを着こなす大人な雰囲気
そしてさらにナイスバディな女性

そんな刑事を前に二人の目線は彼女の爪先から徐々に上がり―

バシッ

「あでッ」「いたいっ!」

「目がいやらしい」

二人をはたいた、調書を取ったボードを片手に冷たく見下ろした。


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