何度忘れようとしても
「あ、いいよ。そうだね、どっか行こうか」

それは、もうすぐ駅!というところだった。
意外な人から誘われたものだと驚きながら、私は洋平くんと連絡先を交換した。

そして全員解散した。

電車を降りて駅からフワフワした感覚で自宅まで歩いた。
気持ち良く酔って歩く夜道は一人でも寂しくなくて私は好きだ。

玄関を開けると丁度、携帯が震えた。
洋平くんからのメールだった。

「今日はお疲れさまでした。今度は2人で飲みましょう」

コートを脱いで、ソファーに転がりながら私はフフフと笑った。

「そうだね。また飲もう。明日も頑張ってね」

色々悩んで、やっぱり当たり障りのない返信をした。

洋平くん、わりとかわいい顔をしているし結構年下っていうのもありかなあ?

その夜は上機嫌で、明日の準備をして眠った。

< 65 / 222 >

この作品をシェア

pagetop