何度忘れようとしても
「え、いいよ?ホントに孝昭の好きな所で」

「うーん。じゃあとりあえず、行ってみよっか」

そう言うと、彼はあてもなく車を走らせた。

運転をする横顔を盗み見ると、久しぶりに愛おしさがこみ上げてきた。
こんな感情は、彼にしか抱けない。
こんなに好きなのに、どうして私たちは結ばれずに終わってしまうのだろう。

「どうよ、最近」

「へ!?」

いきなりの質問が何の事を差しているのか分からず変な声を出してしまった。
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