Never-ending story
ハイテーブルと丸椅子に座って待つように言われて、コートを乾かす間待つことにした。
雑然と並べられた雑貨とレトロなインテリアが何処か異国情緒溢れる空気を醸し出していた。
なんと表現をすれば、適切で不適切ではないのだろうか…
黒いスーツとベスト、白いシャツを着た髪の長い色白の人は、フラスコから液体を注いでティーポットに注いで、お菓子のセットを差し出す。
「どうぞ。今日のアフタヌーンティーセットです。」
ティーポットと3段のお皿の上に、サンドウィッチ、スコーン、フルーツ、アップルパイ、キッシュと乗せられている。
フォークとスプーン等の入った小さな木の編み籠が横に置かれて、甘い香りが漂う。
ティーカップを手にすると、温かく、徐々に先程の雨に当たった寒さが減って来る。
鞄からチケットを差し出すと、文字が書かれていて、乱雑な文字が雑然と並んでいる。
「暗号を解けた方には、今日のティーセットを無料で食べて頂けると同時に素敵なことが起こります。」
そんなことが書いてある紙に、質問に答えて、地図を作って行けば、道に辿り着くような仕組みになっていた。
そして、ある隠し扉を開けたら、レトロな町並みのガーデンロードに来て、いきなり、雨が降って来たのだ。
アンティーク調の小さな金色の容器は砂糖ケースとミルクを入れるものらしい。
「ミルクと砂糖はどうしましょうか??
それから、お茶に入れるフルーツは何にしましょう??」と訊いて来た。
「ストレートで良いです。」と答えると、小さなひざ掛けを手渡された。
ひざ掛けをかけて、質問を切り出した。
「チケットを見せる前からティーセットを用意していたみたいですけど…」
「招待状が届いた人は大抵暗号が解ける人です。」と答えてジャムのミニ瓶が詰まった籠を取り出して「お好きなジャムを選んで使って下さい。」と言った。
生姜ジャム、林檎ジャム、ブルーベリージャム、ストロベリージャム、キウイジャム…と多彩な種類が揃っている。
ジャム用の小さな小皿を差し出して、数種類楽しめるようになっているようだ。











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